【映画】映画を彩ってきたアクションシーンの裏側に迫る『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』

映画を彩る女性俳優による華麗なアクションシーンの数々はCGではなく、女性スタントウーマンたちによって成り立っています。⾛る貨物トラックの下を⾞が⾛⾏するシーン（『ワイルド・スピード』）や、後ろに⼈を乗せたまま⾼速道路をバイクで疾⾛するシーン（『マトリックス リローデッド』）など、一度見て引き付けられた人も多いはず。彼女たちが活躍する背景には、弛まぬ努力による訓練と、地位や権利を守るための戦いの歴史がありました。映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』は、2021年1⽉8⽇（⾦）TOHO シネマズ シャンテほか全国順次公開になります。

ストーリー

CG技術の発達と共に迫力ある映像に満ちた映画が日々作られている。私たち観客は当たり前にその映像を観ているが、そのアクションシーンがCGなのか、それとも実際に誰かが演じているのかといった点に意識が向くことはない。事実、CGでは表現出来ない動きや迫力あるアクションシーンをより緻密に表現するためにハリウッド映画では今でもスタントパフォーマーたちが活躍している。昨今、このスタントパフォーマーの存在はこれまで以上に映画産業の中で重要視されてきている。

2000年代に入り、世界的飲料メーカーのレッドブルよるスタントパフォーマーたちを称えるためのTaurus World Stunt Awardsの設立や、アカデミー賞におけるスタント部門の設立などが声高に叫ばれてきているが、スタントウーマンたちは、男性中心のスタントパフォーマーたちの世界で彼女たちの地位や権利を守るために戦ってきた歴史がある。というストーリーです。

スタントウーマンは何と戦ってきたか

映画の中で活躍するヒーローや女性たちが増えてきて、その姿に元気づけられる方も多いのではないでしょうか。本作には実際のスタントシーンもあり映画好きには記憶にあるシーンも多いはずです。しかしスタントウーマンは多くのシーンで活躍しているにも関わらず、その活躍がなかなか評価されない現実があります。

女性が活躍する映画は最近になって多くなっているように見えますが、実際は1960年代からスタントウーマンは活躍してきました。しかし彼女たちは当時設立されたスタントマンの労働組合に所属させてもらえなかったうえ、「女性には危険だから」という理由でカツラを被ったスタントマンに地位と活躍の場を奪われます。そのためスタントウーマンたちは自らの手で労働組合を設立し地位と権利を守るため戦ってきました。2000年代になりスタントパフォーマーもアカデミー賞の対象にするべきという声が上がっていますが、まだ実現に至っていません。

迫力のあるアクションも必見！

車の横転、高速で走りぬくバイク、高いところから飛び降りる、車に轢かれる…など映画で違和感なく溶け込んでいるシーンですが、自然にこなすためにはスタントウーマンの途方もない努力が必須です。ではどのようにトレーニングをしているのかというと、実際にやるしかないのです。高所から命綱なしで飛び降りたり、車をドリフトさせたり、実際に何度も練習して体に覚えさせています。住宅街でドリフト走行するシーンはまさに映画そのもの！女性だからといって不可能なことはありません。

スタントウーマンたちは決して映画の裏方ではなく、メインになる存在です。彼女たちの活躍をぜひ劇場で目に焼き付けてください！

公開情報

■『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』
URL：http://stuntwomen-movie.com/
2021年1⽉8⽇（⾦）TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督：エイプリル・ライト 製作総指揮：ミシェル・ロドリゲス
出演：エイミー・ジョンソン/アリマ・ドーシー/シャーリーン・ロイヤー/ジーニー・エッパー/ジュール・アン・ジョンソン/ジェイディ・デイビッド/デヴン・マクネアほか
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